聞くべきか聞かざるべきか?
それが問題です。
もし、雇用主として求職者へのインタビューをする際、候補者の人種、性別、年齢、宗教、性的指向、障害、またはその他のセンシティブな話題について聞こうとしているのであれば——それは、「聞かざるべき」事柄です。
雇用主は面接を利用し、候補者が仕事や会社に適しているかどうかを判断します。
しかし、人事および雇用法の専門家によると、人事担当者や採用マネージャーは特に、違法、非倫理的、またはグレーゾーンに入り込みすぎる質問には注意すべきだといいます。雇用主が適切な質問を考える際、どこで線引をするべきかを理解しておくことは、不公平な採用や、訴訟への発展を避け、有能な人材を確保するために重要です。
特定の質問が持つリスクを
理解することが命綱に
「単純に、インタビューで聞くべきでない質問は多数存在します。それらはすべて差別に関連しており、候補者の仕事における能力とは全く関係もないものです。」と、コロラド州ボルダーに本社を置く技術ソフトウェア開発会社、Develop IntelligenceのHRコンサルタント、ジャナ・タロック氏は説明します。「個人の性的指向、婚姻状況、家族の状況や、宗教などに関するあらゆる質問は、面接の場では特に避けるべきです。」
タロック氏は続けます。例えば、雇用主は面接中に「近いうちに家族を作る予定があるかどうか」や、「その人の年齢や民族性について」決して聞くべきではないと話します。候補者は、宗教的信念、性的指向、または妊娠が障壁となり採用されなかったと感じた場合、容易に「面接時に受けた差別」を主張することができます。
さらに、「雇用主は、面接時の質問がすべての候補者に対して同じであり、その役割で遂行するために必要な知識、スキル、能力に厳密に関連していることを確認する必要があります。ただし、身体的能力に関するいくつかの質問は、それが仕事の正当な要件とみなされる限り、聞くことが許されています。」とタロック氏は話します。
ヒューストンを拠点とするVethan Law Firmの社長兼CEOであるチャールズ・ベサン氏は、「雇用主は、インタビューの質問と手順に関する州法と連邦法の内容をよく理解しておくことが賢明です。」と注意を促しています。「タブーな話題は、直接的な法律違反には問われなくても、会話を違法な領域に導く可能性があり、結果的に、雇用主を悪い社会的立場に置く可能性もあります。」と同氏は続けます。タブーな話題の例には、アルコール消費量、交際歴、高校卒業の日付なども含まれます。
人事をトラブルに巻き込みがちな
面接質問とは?
Brightmine HR & Compliance Centreの法務編集者であり、採用や雇用のトピックを専門とするデビッド・ワイゼンフェルド氏と、前出のベサン氏によると、一般的に質問されがちで、問題となりえる質問として以下を挙げています。
「弊社は、事業が非常に忙しくなることを見越して、現在採用中です。今後1年間、フルタイムで働く能力を妨げる可能性がある計画はありますか?」
「結婚はしていますか?近いうちに家族を作る予定はありますか?」
「あなたの名前はとてもエキゾチックですね。元々どちらの出身ですか?」
「この仕事では20ポンド以上の重いものを持ち上げることが必要です。以前に、それができなくなるような健康に係わる問題はありましたか?」
「昨年、病気休暇や長期の医療休暇を取りましたか?」
「お子さんはいますか?どのような保育の手配をしていますか?」
「大学を卒業したのはいつですか?」
安全で合法的な求人面接のための
ベストプラクティス
一方で、求職者を緊張させる可能性があるものの、許容される質問もあります。これらは、求職者がその仕事の要件を満たせるかどうかを掘り下げる目的のもので、以下のようなものです。
「この仕事の出勤要件を満たすことができますか?」
「どこに住んでいますか?」(雇用主は、応募者の通勤時間が過度に長い場合、正当な懸念を持つことができます)
「適切な配慮の有無にかかわらず、仕事を遂行できますか?」
結論として、求職者にインタビューする際、雇用主が念頭に置かなければいけないのは、インタビュー対象の仕事に焦点を当て、候補者がその仕事に必要な基準を満たしているかどうかを判断することです。その枠を超えた質問をするのは望ましくなく、もしした場合には、訴訟に発展しうる領域に踏み込む可能性もあることを十分に認知しましょう。
執筆者:
Chihiro Bjork
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